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![]() マイクロパワー革命―IT革命の次はこれだ! 柏木 孝夫, 金谷 年展, 橋本 尚人 共著 ティビーエスブリタニカ 定価1680円(税込) |
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| 小泉外交最大の障害の一つが環境の関所「京都議定書」への対応であろう。無批判にアメリカを無視しても批准すべきだという声が高い。しかしそう言う人たちは、そこで待ち受ける1990年に遡っての、当時のCO2の6%削減が簡単に達成できるというのだろうか? 政府筋ではその為には「原発を10〜13基増設の必要が有る」という。いままでの不手際も含め、恐らく建設候補地では絶対反対の声が高く、幾つかは出来たとしても、その目的達成はまずは絶望といえるのではないか。とすればどうすればよいのか? 京都議定書の批准の是非は別として、「マイクロパワー」でCO2削減・大気汚染などを一挙に解決出来るというのが本著である。 これは最近自動車の新燃料システムとして注目されている『燃料電池』と、発電と余熱を地域や住宅に応用し利用した『電熱併用=コ・ジェネレーション(コージェネ)』と呼ばれるものである。筆者たちはこのシステムに必要なものこそ日本のミクロの技術力だという。燃料電池とは公害やCO2発生の少ない、自動車では天然ガス・アルコールを水素に変えて燃焼させ、コージェネでは分散的発電システムによって原発や風力発電・太陽光発電の夜間発電、また新ゴミ処理発電(ダイオキシン・ゼロ)・バイオマス(不要木材・畜糞発酵)発電などを利用して、いずれも水素を取り出して燃料とした公害・CO2ゼロミッション発電を行い、余熱を再利用することで最高の電気・熱効率を得ようというものである。 日本近海の1500mの深さには日本の必要とする天然ガス換算で100年分といわれる「メタンハイドレード=ジェ ー状のメタン」があるのだという。そうしたことも援軍として、本著は「マイクロパワー革命」の実現にあたって、すでにそれぞれのハードの研究は、日本ではほとんど完成の域に達しているとして、問題は売電・通電での規制緩和や、地方自治体での「廃棄物処理発電」への意識革命、それに新規事業としてベンチャー企業の出現が急務だという。特にコージェネではエコシティという地域の開発、遊休(あるいは破綻した第3セクターなど)の再利用、ニューエネルギー住宅開発などなど、新しいインフラの必要性から、新規投資や雇用創出など日本の活性化に大きく貢献するのだと強調する。 著者たちは、基礎研究の集積と日本の技術力とのその組合わせによる「技術ハイブリッド」で充分世界をリードすることが可能だと指摘する。もっともこれから官学民挙げての取組みや、縦割り行政の打破が不可欠だが、まさに<IT革命の次・21世紀のビジョン・日本経済再生の鍵>だとする「マイクロパワー革命構想」に、今こそわれわれもユーザーサイドとして大いに注目、積極的に賛同する道を選ぶべきではなかろうか。なお昨年度で地方自家発電は中規模原発1基分に達したというが、それはまだ従来型のA重油や都市ガスなどを燃料としたもので、コージェネの普及には、今後公的な助成策の施行とPRが急務であろう。 |
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