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親指はなぜ太いのか―直立二足歩行の起原に迫る
親指はなぜ太いのか―直立二足歩行の起原に迫る
島 泰三 著  中公新書  定価924円}(税込)

はだかの起原―不適者は生きのびる
はだかの起原―不適者は生きのびる
島 泰三 著  木楽舎  定価1995円}(税込)
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 著者は自称独立派をもって任ずる行動的人類学者だが、彼はマダカスカルのアイアイという原猿が、その細長い奇妙な中指でラミーという果実の種の仁をほじくって食べるという生態をはじめて確認したことで知られている。それまではなぜ細長い中指を持つのか、その理由がわからなかったのである。そうして彼は、サルが種族によって異なった指を持っているところから敷衍して、ユニークで説得力のある「直立二足歩行仮説」を提示することになった。

 サルがヒトになる過程における大きな通過儀式には、この直立二足歩行と被毛を失うという2つがある。もちろんこの直立二足歩行を始めた理由について、過去多くの学者が仮説を提示してきた。曰く「狩猟・肉食説、種子食説、腐肉漁り説」などなど、なかには大脳を冷すためだとか、ちょっと眉つばなものまであるのだが、その中で彼が提示した「口と手連合仮説」は、腐肉漁り説から一歩進めた「骨猟(ボーンハンティング)仮説=B.B.ポルシェネフ)」を援用して、獲物とそれを割る石器を持ち歩いたためだという。ヒトは直立と共に犬歯を失っているが、それが骨やその髄を食べるために進化したのだという。 たしかに犬歯をなくすと、下顎が前後左右に動いて骨などに咀嚼に適応出来る。彼は実際に固い骨をかじって実験するのだが、上達すれば骨をどろどろに噛むことが出来るのだという。

 一方「はだかの起源」だが、どうもヒトは裸と同時に口腔内を拡げるという「負の突然変異」に見舞われたのだという。彼は、マラリヤや寒さに弱い裸になることで、衣服や住居を生むことになり、また口腔内が押し下げられたことで、気管に食べたものが入りやすくなるという負の変化を克服して言葉を獲得のだという。ではいつ裸になったかだが、彼によると、人の体に寄生するシラミが、約七万年前にアタマジラミとコロモジラミの分化が始まっているという説を援用し類推して、いままで考えられていたものよりはるかに遅いこの時期なのだという。それまではヒトでなくケモノだった、一読トンデモ説のようで、なかなか説得力のある仮説であが、さて皆さんのご意見は?
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