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![]() 国防 石破 茂 著 新潮社 定価1365円(税込) |
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| 戦後60年、世界各地で続発した戦争や紛争をよそに、ひとり平和を謳歌してきた日本では、いつしか「国」という言葉が風化し、口にされることがなぜかはばかられる風潮が定着してしまっていた。しかも今日本では、「国民」が「市民」に取って代わられ、国益・国冨・国是・特に国防・愛国など当然の国家意識や思想が無残に失われ、まさにロストネーション(失国)・アンチネーション(無国家)ともいえる状態に陥っている。 ここ最近近辺が急にあわただしくなり、しかも多くの「国民」が、他国の工作員によって理不尽に誘拐されながらも、30年にも亘って取り上げられずにきた。このことがいかに異常なことなのか、誰しも気付くべきであろう。 石破氏は軍事オタクと呼ばれて揶揄されるなど、ネガティヴに評価されてきたが、同書を読む限り、はじめて本物の防衛庁長官だったという思いがする。 従来GDPの1%という枠に縛られながらも、経済大国だったことから、世界2位の予算を持つ軍事大国というふうに語られてきた。しかしながら、その予算の大きな部分を人件費が占め、しかも兵器輸出を禁じられているため非常に高価なものになることから、実質的には、表面的で派手な印象を与える分野が強調される半面、いざ有事に本当に役立つのかどうかが疑問視されていた。しかも同書でも強調されるように、相変わらずの縦割り運営のため、陸海空の連携システムでさえ、すっぽり脱落していたようだ。また戦の本質をまるで知らない文官統治は、百害あって一利無しだと、明確に指摘している。 同書はまた政治家にしても官僚にしても、国防という意識が稀薄で、しかも日本を取り巻く環境の激変に対して、柔軟に対応するという発想が、いかに欠けていたかも教えてくれる。今や冷戦の解消により北方&重装備重視から、対北朝鮮・中国へ、対テロ戦略へと、大きな戦略転換が要求されるようになった。 やっと出来た有事立法にしても、実際運営上はたして円滑に活用出来るのか問題点は山積していることがわかる。さて石破氏辞任のあと、折角進みかけた問題点解決のための施策が、元の木阿弥にならないことを祈りたい。 大体「専守防衛」という戦略自体、一旦緩急時に日本国内で国民の犠牲を覚悟して戦うという、かってなかった無謀でリスクの大きい仕組みだということを、日本人全体が充分自覚しておく必要があるのではないか。 |
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