![]()
『京都議定書』の裏表−2
さて、アメリカが京都議定書の批准を蹴った直接の口実は「チャイナ・インドという巨大人口を擁する国々が入らなくては無意味だ」というものである。一応の理屈は立つし本音の部分でもある。いずれにしろアメリカという大国のエゴ丸出しの言動は、まさにやんちゃ坊主がそのまま大人になったようなブッシュの顔付きときれいに重なり合う。 CTBT(包括的核実験禁止条約)の問題にしても、「チャイナ・インド」など底の見えない、なにを仕出かすかわからない東洋の神秘を宿す国々の不気味さに心底恐怖心を持っているに違いない。
前号の奥中塾友の「時事雑学考」には、長年チャイナの地で生活された氏の思いが(ひたすら軍拡に狂奔する国に対して多額のお金を援助し続ける日本の莫迦さ加減とオーヴァーラップして)切実に滲み出ている。アメリカのEP3が南シナ海で電波探知行動をしていたのは、氏が挙げた弾道ミサイル(SLBM)「巨浪21A」を搭載するチャイナの原子力潜水艦の行動の監視に他ならない。
それに対する日本の無関心ぶり、特に害務省の真知子大臣と木っ端役人は、日本の排他的経済水域でのチャイナの情報収集船の傍若無人の調査活動を無害だとほざく始末である。いずれにしろお人好しの日本人は中国の真の姿を知らなさ過ぎる。ウイグル自治区・内モンゴル自治区への圧政、チベットへの侵略と宗教弾圧、それに法輪功の弾圧やタイワンへの武力行使をちらつかせた恫喝、自国領ではない南沙諸島(スプラトリー)への基地建設などなど、この国の姿を見落として「一衣帯水」の仲などと戯けたことを言う人のなんと多いことか! あちらの人たちは内心舌を出していることだろう。
閑話休題。温暖化の問題に戻ろう。日本政府(経済産業省の審議機関)は、1990年度のCO2排出量6%削減のためには「原発10〜13基増設の必要がある」と答申している。果たしてこれが実現出来るのか? 3つの懸念がある。1つは設置候補地での反対があまりに多すぎること、もう1つは電力会社にすでに(ランニングコストは別として)設置までにかかる費用と支障の大きさを賄う体力があるのかという問題である。では国営に…? それも時代に逆行する。3つめは、国のバックアップが稀薄でありマスコミはあまりに冷淡なことである。原発に反対する人たちは、つねに感情のみが先行して、一切代案を持ち合わせていないのが現状である。原発だけに止まらず、大多数の要求を少数者が否定する、これがはたして民主主義国家の姿か。
もうひとつ大切なことだが、日本人の多くは「CO2削減は国や企業がやることで私たち国民には関係ない」という意識くらいしか持ち合わせていないのではないか。これはとんでもないことで、6%の削減は日本人一人一人の節約の意識があってはじめて成功する。ところが私たちは一度おぼえた快適性活から決して後戻り出来ないでいる。
さてアメリカのCO2排出量は世界の40%を占め、日本の4倍(一人当り2倍)だそうだ。金子康紀塾友によると、アメリカが一般家庭の集中式エアコンを日本のように、部屋別のエアコンにすればその削減は簡単だという。もしそうなると小型エアコンの大需要が生じて景気もよくなるのではないかと思われるがどんなものだろう。
私たちが考えるほど簡単にいかないのが世の中の仕組みだろうが、日本ではこの景気の低迷と閉塞感ばかりで、将来に対する展望がさっぱり見えてこないのが現状である。 本当に『これでよいのかニッポン』と言いたくなるではないか。(株式など)負の部分だけでなく、明るい正の部分の強調が今の日本には必要なのである。悲しいことだが今の日本には、正直『何かが欠けている』と思わざるを得ない。