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またまた中国バブルに踊るのか?
このテーマで先月掲載の予定のところ、イラク戦争の勃発があったため、急遽そちらの原稿に切り替えてしまったのだが、その間に、塾長の警告を象徴するような出来事、新型肺炎「重症急性呼吸器症候群=SARS(サーズ)」の発生と蔓延である。
北京政府は、世界保健機構 (IWC)の詳しい検査を拒み、「安全宣言」まで出しながら結局ILO(国際労働機関)の高官の感染死を引き起こし、しかも世界中に感染者と死者を増やし続けたことでと、世界的なパニックと囂囂たる非難を巻き起こしてしまったのである。
国内だけでの事件であったら、あくまで隠し通していたはずの中国政府の姑息な隠蔽体質が白日のもとにさらされてしまったのだ。結局広東省の呼吸器疾病研究所長が、政府安全宣言を否定するという異例の事態を招くことになったのだが、国の決定が一省の研究所長の発表で覆るなど、尋常でないことがこの国の実態であることに注視すべきである。
問題はこの病気の一層の被害拡大が予想される中、あらゆる面でこの国との接し方について真剣に考えなければならないはずだが、不思議にも日本という国は、厚生・衛生面と経済とはまったく別だとでも言うように、この問題が中国投資に一時的影響に触れるだけである。
多分すでに現地進出している企業でも、病気発生がいかに自分の会社に影響が大きいか少ないかという部分のみに汲汲しているように感じられてならない。
それに比べて、西欧の国々の反応はシビアで、おそらく今後この国への投資戦略も大きく変わるかも知れない。すなわちSARSの蔓延次第によっては、この「虚構の大国」の崩壊が始まるだろう。その時になって騒いでも手遅れなのだ。
日本はかつて、土地・金融バブルに踊り、以降長らく「宴のあと」の悲哀と苦難を引き摺ってきた。加えてアメリカのITバブルのあと追いして、そのダブルバブル後遺症に呻吟している。たとえば、日本の繁栄の象徴的存在であった重・軽家電業界は、わが道を行くソニーとシャープ以外、赤字とリストラの中で、依然として業績を回復出来ないでいる。
それらの企業は、業績悪化を自らの内に求める前に業績悪化の原因を、中国製品の安値攻撃にすり替え、「中国行きバス」に乗り遅れまいと我先に企業進出にうつつを抜かすことで、懲りることなく「中国バブル」を引き起こしているのだ。しかも、経済専門家もすべて歯の浮くような中国礼讃をし、経済新聞や業界誌もこぞって「中国に出ない企業は潰れる」かのような論調の記事を満載している。
この「すべてが中国」という、異常な現象に警告するものがいないという不可思議な現象、これこそ日本最大の危機ではないのか? いまこの国はどこもかもおかしい。
(言論の自由のない、素顔の見えないチャイナの恐ろしさなど、以下次号で)