またまた中国バブルに踊るのか?−その4

 中国問題で忘れてならないのは、この国の「覇権意識」である。この国は、第二次大戦以後かつての「化外の地」内モンゴル・新疆ウイグル・旧満州それにチベットなど次々と自国に包含していった。

 中国の共通政策は、農耕民の植民であり森林や鉱業資源など天然資源の収奪にある。たとえば、人口200万余の内モンゴルには、すでに一千数百万人の漢人農耕民が移住している。

 こうした強圧的移住は、民族間の文化的軋轢とともにはげしい自然破壊と公害をもたらすことになった。自然の摂理を無視した行き過ぎた森林の伐採や潅漑など自然破壊は、なにも植民の地だけではない。

 1998年7月長江及び松花江、今年の淮河(被害者3600万人)と大洪水を招いた。50年代、40%台あった長江流域の森林面積は今や一気に約十%台まで低下し、上流の四川省の十三の県に至っては、わずか一%足らずになっている。

 逆に水不足で深刻なのは黄河流域の(内モンゴルを含む)黄土高原である。かつて秦の時代(前221〜206)50%を超えていた森林面積はわずか6%に激減した。こうした森林破壊と上流の過度潅漑が招く表土の流失によって、黄河は河床が両岸の地面より数mから十数mも上昇し、河口に流れが到達しないという現象を招いており、コリア・日本には大量の微細な砂粒と汚染物が飛来している。なにしろこの地の森林を10%増やすためには、日本全土の森をそっくり移植してもまだ追いつかないというのだから病根は深く且つ大きい。

 昔からチャイナにおける天子の役割は「治水」とされてきた。いま膨大なエネルギーを投入して、長江上流の巨大な三峡ダムをはじめダム計画や運河の工事計画が目白押しである。その一方で失われた表土が流され沈澱する汚泥によって、ダムの役割は急速に陳腐化しており、いまや「治水よりむしろ治泥」の必要性が取り上げられる始末である。

 おそらく今回のSARS騒ぎで、チャイナは大きな被害と信用失墜を被った。もしもこれがオリンピックの最中に起きたならば、チャイナは経済的ダメージだけでなく、「国家」として機能すら疑われる事態を招くだろう。この国の素顔が掴ににくいのは、厳しい情報制限にあり、真実を語る人は、生命の危険に曝される。ただ今や抑えきれないネット情報が、次々とこの国の事情を白日のもとの暴き出し始めた。さてそれでも日本企業はまだ「チャイナバブル」を追い続けるというのか?

 <参 考 文 献>

 『やがて中国の崩壊がはじまる ゴードン・チャン 草思社』
 『噴火口上の中国 何清漣 草思社』
 『いい加減にしろ中国 豊田 有恒 TBSブリタニカ』
 『日中再考 古森義久 産経新聞社』
 『月刊 中国 編集発行人 鳴 霞』
 『天怒(上下)陳 放 リブロ』


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