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正しい日本憲法を考える
小泉首相は、その在任中には改憲は考えないものの、改憲審議は始めるとしている。画期的とはいえるものの、その方向性はまったく見えてこない。
いままでの改憲論議のほとんどは、平和憲法を象徴する第9条という理想論と現実との乖離の是正に集中してきた感がある。左翼陣営の謂う「これをいじったら日本はすぐに軍事大国になると」いうような発想は論外として、少なくとも世界では通用しない一国平和主義から脱却して、国連主導の国際貢献であるPKOとかPKFという世界共通のスタンスに立つことが急務であろう。
それは識者にまかせるとして、ここで取り上げたいのは、天皇陛下に関するもっとも適切なお仕事とその表現についてである。<第1章 天皇>は、第1条より第8条までに記載されているが、ここでの詳細な記述は避けるとして、絶対に加えるべきは、日本の『まつりごと』を政事(国政)と祭事(国の祭祀)に分け、天皇のお役目としての祭事の記載である。このことによって、くどくど言わなくても天皇が国政に参与されるという杞憂は払拭される上、しかもいまや失われようとしているわれわれ日本人の精神的支柱となり、形のある倫理的な象徴としての存在感が醸成されなければならない。
では祭事とはなにか? 社稷ならびに祖霊の祭祀であり国の安寧および世界平和の祈願である。これを明確に国家的な行事として、憲法に高らかに謳うことである。社とは土地の神であり稷(しょく)とは五穀の神である。ここに日本の平和を基幹とする国柄が明確にされる。
いま教育基本法の改正が試みられているが、かつての教育勅語に代わるものとして、憲法上こうした天皇のお仕事を背景にした斬新な教育理念を構築していけばよい。時間的な制約があるとしたら、まずここで述べた新しい天皇像を念頭に、道徳性・倫理性を加味したものとし、新憲法発布を機に改定していけばよい。いま日本に欠如しているのは、まさに精神的支柱なのである。