郵政改革を検証する−2

 生来そそっかしくて単純・短絡的な塾長の言うことだから、差し障りのある方はそっと見過ごしてほしいのだが、破綻した山一・ダイエー・マイカル・西武・UFJなどを見てもわかるように、年月が重なり組織が大きくなってくると、通常営利を目的とする民間企業でも、実よりも名を取るようになり、組織が硬直化し官僚化して、冒険より安定を願うようになったりするものだ。官庁においてはなにをかいわんやである。農水省管轄の農業・林業・水産業のあわれな状態や、最近話題になっている社会保険庁の醜態などを見ても、すでに官僚システムの行き詰まりは歴然としているではないか。

 郵政改革反対意見の最たるものとして、過疎地の人々を置き去りにするという説がある。では黒猫ヤマトとか佐川急便は、そんな過疎地に一切配達をしていないか、高配達料を取っているのだろうか。そんなことはない。もしどうしてもそんな場所が出る場合は、税金による補填を行ったとしても、現在の非効率な仕組みが生む赤字よりも、はるかに少ない金額で解決するというものだ。

 郵便部門の民営化はいいが、「郵貯の開放はハゲタカ外資に食われるから反対」というのが抵抗派の言い分である。ではハゲタカ外資が食うのではなく、官僚たちが財政投資の名のもとに、湯水のごとく遊休施設を濫造し、あげくの果てに二束三文で叩き売る方が国策になるとでも言うのだろうか。おそらく民営化によって族議員やキャリア官僚などによる、いかがわしい行為が表面に出るのを恐れての反対ではないかと勘ぐりたくなる。国民よ、もっと怒れ!

 いずれにしても非収益を標榜する機関では、なんら責任発生しない仕組みの中で、官僚どもはわれわれが及びもつかない悪知恵を発揮して、今後も「共益」の名のもとに無駄な出費を繰り返すことは、火を見るより明らかである。

 もちろん小泉さんには、この問題よりももっともっと大切な問題、たとえば「日本の国家ヴィジョン」の提示とか、「日本の目指すべき指針」とか、「教育の是正」「国家戦略の構築」とか、やってほしいことは山ほどあるのだが、ここはまず、「隗(かい)=郵政より始めよ」に徹してもらいたい。 


前へ目次へホームへ次へ