どこか変だよ日本の食−2

 つい先日、ハンナングループの総帥で食肉界のドンといわれる浅田満会長が、BSEと輸入肉に絡んでの不正行為が発覚して逮捕された。彼は悪辣で強引な商法で巨億の富を築き、有力政治家や畜産行政との癒着などが指摘され、いままで数々の黒い噂が絶えなかったが、ここに来てようやく逮捕されたのだ。なおトリ・インフルエンザで会長自殺、社長逮捕の憂き目をみた浅田農産と混同された面もあるがまったく別人である。

 彼の活躍の裏には、(サンケイ新聞の勇気ある告発で表面化した)広島県の教育界における「同和問題」と同じく、一般の人はもちろんマスコミでさえ及び腰で避けて通ってきたアンタッチャブルな面を巧みに利用した商法があったようだ。これら一連の事件は、まじめに同和問題に取り組む人たちにとって、大変に悲しい出来事である。もっとも今回の問題については、そうした行為を黙認したりむしろ彼の吐き出す利権や贈収賄という甘い蜜に群がってきた人たちの存在と、マスコミの偏った姿勢を厳しく問われなければならないだろう。この際悪行のすべて明るみに出ることを願いたい。

 さて話はトリ・インフルエンザに戻るが、吉野屋に代表される牛丼店に対するマスコミの情緒的な報道の影で、浅田農産の対応のまずさから来た後遺症は今までにない厳しさで養鶏業界を襲い、売上げの大幅低下と価格の下落を招く由々しい事態に陥っている。廃鶏とは処理場が全然違うため、今回の事件に全く関係のないブロイラー農場から、厳しく衛生管理に努めてきたタマゴ農場まで、消費者の無理解によって消費減退という大きなダメージを蒙っているのだ。

 それに対して政府関係省庁や行政機関、マスコミの対応の遅さや冷淡さは目に余る。特にマスコミの物々しい現場撮影には、人への感染ではなくトリ同士の感染防止のためだと声をもっともっと大にしてほしかった。

 それにしても消費者の無理解は大きい。トリ・インフルエンザは人に感染せず、また火を通せばまったく無害なのだ。よしんば万一感染したとしても、インフルエンザの特効薬で充分効果があるのに。     (次号に続く)


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