枝葉末節を論じて大局観を失うな!

 9.11開演の小泉劇場は、無党派層をも引き込んで予想を超える大盛況の うちに終演した。といって国民が付和雷同の愚民ではない証拠に、造反派の烙印を押された中の良識派をしっかり当選させている。  哀れをとどめたのが玉石・左右混交の民主党で、二大政党が聞いて呆れる醜態を演じた。したり顔の識者は、劇場政治の空虚さを言い募ったが、結果として茶の間に政治を持込み、選挙を敬遠していた若者を投票場にいざなった小泉効果は決して無視出来ないだろう。

 ただ気になったのは、テレビやオピニオン雑誌などで、保守論客の中からの小泉批判が予想を超えて多かったことである。その中には、かつての自民党の犯した失政までもおっ被せる論調が多かったこと、それと旧態依然な郵政民有化否定論である。

 自民党の犯した失政とは、(江の傭兵=河野洋平にそそのかされて)教科書検定基準に「近隣諸国条項」を設けたET宮沢、China のくの一を抱かされ、無能大蔵省官僚と結託して、早急な金融ビッグバンで特大バブル崩壊を招来したポマード橋龍、水と油の社会党から( 長い眉で目が見えなくなっている)村山さんを首相を選んだ当時の自民党首脳など( それに自民党ではないが) 国務を気楽に投げ出したご乱心殿様細川侯と、かずかずの売国的確信犯を放置するだけでなく、それらをすべて小泉さんにおっ被せるような論調はいかがなものか。

 では「郵政民有化」の問題はどうか。こちらは郵便局の待遇・去就と、郵貯の民営自由化に対する懸念に大別される。まず郵便局に対する相も変わらぬ悲 観的見解には呆れ果てるばかりである。たとえば、許認可事業という既得権益 は、金融ビッグバンと同調して大幅に自由化されてきた。

 たとえば「酒販・米穀商・薬局」だが、いまやほとんど駐車場完備の量販店に取って代わられてしまっている。こうした民間の業者をスケープゴートにして、郵便だけが反対では、まさに「官尊民卑」ではないか。私事だが数百mも歩いていく郵便局より、遠くても駐車場のある店にある方が便利である。

 僻村の郵便局にしても、むしろ日用品や食料品といずれが大切科と言えば後者であろう。そうした店が必要性から存続するとすれば、そうした店とのドッキング、あるいは農協の支部などと一緒になればいいではないか。それでもという場合、政府が助けると言っているではないか。また郵便自体インターネッ ト・携帯のメールや、宅急便に大きくシフトしている現状を知るべきである。

 次にもっと重要な郵貯・簡保の民営化問題である。識者の発言はなべて「ハゲタカファンドに毟り取られる」というものである。根拠として今回の郵貯民 営化はアメリカ政府の強制であるというものだ。考えて見てほしい。ではいままでに、外圧に頼らず、自発的に改革に取り組んだ例があっただろうか。

 前述(デリヴァティヴってな?に?というような)無能大蔵省官僚と、橋龍さんによる金融ビッグバンによって、多くの金融機関が餌食になり、膨大な国冨がアングロユダヤに毟り取られたことは記憶に新しいが、あれから20年近く経過している。いささかも経験に学ばず、旧態依然としているような金融機関なら、さっさと潰れてくれたほうが有難いというものだ。

 投資の世界でも素人がインターネットでのびのびと株式投資を行い、証券会社のプロセールスマンが数万人単位で失職したという事実がある。かつて日本は、欧米に先駆けて堂島の米相場に先物取引というリスクヘッジ・システムを導入した歴史を持っている。日本の金融業界も、有能な人たちをリーゾナブルナな給与で活用するという新しい発想の事業環境を早急に構築する必要がある。今回の造反劇を見ていると、いまだに鎖国を叫ぶ幕府のお偉方を彷彿させられるではないか。

 誰がなんと言おうと、バブル崩壊は第2の敗戦であり、現在は平成維新に取り組むべき乱世なのである。三国志演義には、魏の曹操を評して「平時の能臣 乱世の梟雄」と言った。この乱世、曹操あるいは信長のような蛮勇を振るう豪腕の士が不可欠である。

 ある識者は小泉さんをナチス・ヒトラーに例え、国民を愚民と蔑んだ。あと1年で辞職するという独裁者などいるのか。また溺れる人と救助金額を交渉するというチャイナ、カトリーナの災害にあたって略奪にはしり、抵抗擦れば射殺も辞さないというアメリカに比べて、神戸地震をはじめ大災害に直面した際に見せる、日本のすばらしい国民性は決してブレないことに気付くべきだ。

 さて成果の遅さを言う人がいる。大きな船は急には曲がれない。問うべきは早急な結果でなく「船の舵を切ったかどうか」を問うべきであろう。あえて反対のための反対をするよりは、一緒になって改革のスピードアップを図ること が肝要ではないだろうか。いま本当に大切なことは、枝葉末節にこだわらず、大局観を持つことと、「ポスト小泉に誰を選ぶか」ではないだろうか 。


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