日本マスコミ界の災害報道差別を突く

 迫りくるカスタトロフィー(大破滅)の前兆なのか、ここ最近世界各地における天災の襲来と被害は甚大なものがあり、その内容は火山爆発・長雨による大洪水・暴風雨による風水害、それに大地震・津波などと非常に広範かつ多岐に渉っている。 特に太平洋・フィリッピン・ユーラシアプレートがぶつかり合い、しかも太平洋の熱帯性低気圧が成長し台風となって襲来する日本では、まさに災害大国で、昨年はまた新潟山古志村を中心にした中越大地震であり、今年に入って総務消防庁発表だけで、20回に及んでおり、こうした中で関東・中部それに南海大地震がいつ起きても不思議でないと言われている。

 海外では今年1月のスマトラスマトラ沖地震ならびにインド洋津波、近くは8月末のアメリカのハリケーン・カテリーナとリタによるメキシコ湾に面した、ルイジアナ・ミシシッピ、それにテキサス州を中心とした被害であり、つい先日ではパキスタン・インドの境界線であるカシミール地方の大地震によって5万人を超える死者を出し、被害は日本人も父子2名の尊い命が奪われた。

 その後も劣悪な交通環境もあって、事後救援活動の遅延が続き、おそらく死者の数はますます増えるものと予想される。 今回のカシミール地方大地震における救助活動状況やカテリーナ災害での問題点が報ぜられるにつけ、日本は災害大国であると同時に災害対策大国であることに感謝しなければならないと痛感している。

 そうした一方でわれわれが知るべきは、規模としては大きかったもののニュースとしてほとんど報じられなかった災害が数多く発生していた事実があり、日本マスコミ界の報道が、当然とはいえ日本の国内に偏り、また日本人が巻き込まれた海外の災害が重視される反面、片手落ちにもほとんど報じられなかった災害が数多く発生していた事実が見受けられことである。

 日本においても人身事故がともなわない場合、報道がなされないケースも見受けられるようだ。たとえば今年9月の14号台風は、その規模ほとんど日本全国をすっぽり覆うという、カテリーナに匹敵する大きさで、各地に豪雨による大きな被害をもたらしたが、幸か不幸か広島においては人身事故がなかったためか、友人の話で彼の古里では人家10軒あまりが流出したということであった。たとえそこが過疎地であったとしても)少なくとも地方局では詳細に報じるべきではないだろうか。

 海外においては、たとえば10月4日に中米を襲ったハリケーン「スタン」は、各所で洪水や土砂崩れをもたらし、大きな被害を出しているのに、このことが日本ではほとんど報じられなかったため、この災害を知っている日本人は皆無に近いのではではないかと思われる。これなど文字通り差別報道以外のなにものでもないと言わざるを得ない。

 浅井久仁臣の(メルマガ)国際情勢ジャーナル 2005年10月11日号によりますと、「現在までに分かっているだけで被害はグアテマラ、エル・サルヴァドル、メキシコなどに及び、少なくとも 1,500の死体が発見されており、この数字は、カトリーナの1,242よりも多いのにもかかわらず、この地域への日本の救助隊の派遣は検討されておらず、グアテマラとエル・サルヴァドル両国に対してそれぞれ1,200万円の緊急援助物資が送られるにとどまっている」と指摘している。

 このことなどを見ても、なぜか日本のマスコミがほとんど無視していること大きく影響し、氏は「今回の災害は大きく報道するに値すると私は考える」と結んでいます。おそらくこの地では日本人の被害がなかったからこそ手抜きしたのだと考えざるを得ない。

 その後引き続きアメリカ大西洋沿岸を襲った超ド級といわれるウイルマにしても、メキシコや中米、カリブ海諸国一帯で大きな被害を出したはずだが、フロリダの被害は報じても、おそらく中南米の被害はほとんど報じられていないのが現状である。 これはいささか古い事例だが、数年前の冬モンゴルにおいて寒冷気候により、家畜の羊が大量死したことが(2年続きで)発生したにもかかわらず、わずかサンケイ紙が小さく報じたのみで、ほとんどの日本のマスコミは無視してきた経緯がある。

 日本のマスコミは、特に日本人被害に有無にかかわらず、こうした恵まれない国々の災害をこそ大きく報道して世論を喚起し、「災害大国であると同時に、災害対策大国である」日本の国をあげての援助を積極的に行う姿勢を喚起させるべく、政府の尻をたたく論調で報道するべきではないだろうか。

 当然日本国という国のあり方として、平等に(というよりもむしろ恵まれない国々を優先して)「ノーブレス・オブリージュ」の精神を発揮すべきであって、災害発生国によって報道にも援助にも差別をつけたままでいては、日本がいくら国連で常任理事国入りを望んでも、決して貧しい国々、発展途上国の賛同を得ることは出来ない相談だと思わねばならないだろう。

 たとえば自力で有人宇宙船を打ち上げる力を持ち毎年7%以上の成長を続けながら、日本からのODAに一切感謝の気持ちを持たないばかりか領海侵犯を繰り返し、姑息にも靖国問題でイチャモンをつけて日本の常任理事国入りに強固に反対するというなChinaへの援助を直ちに打ち切ってでも、こうした恵まれない国々への災害対策にシフトする政策策を早急に打ち出してしかるべきであろう。


前へ目次へホームへ次へ