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浜岡原発訴訟 運転差し止め判決を考える
浜岡原発訴訟裁判は、市民団体のメンバーが「東海地震の震源域にあ る浜岡原発は地震に耐えられず、放射能漏れなどを起こす可能性がある」とし て静岡地裁に提訴したもので、静岡地裁は、運転差し止めの判決を出した。
なお裁判の過程で、原告側が中部電力側に耐震性に関する文書を開示 するよう求めた問題は、同地裁はその申し立てを認めたが、中部電力が即時抗告
し、東京高裁は15日、静岡地裁決定(05年3月)を取り消し原告側の申し立 てを却下した。
このほか、同じような訴訟が北陸電力の志賀原発2号機訴訟でも判運 転差し止めの判決があり、今後の日本のエネルギー戦略に大きな蹉跌をきた している現状である。そうした原発を絡む情勢を分析すると、いくつかの問題点 が浮かびあがってくる。
まず、原発が反対される背景として、
1. 日本人の持つ「穢れ意識」と、唯一の被爆国という事実
2. きわめて単純で杜撰な現場意識と対応による事故発生、それに 不明朗な隠蔽の事実
3. 市民団体の仮面をかぶった左翼勢力の煽動
4.マスコミの過大報道
などがある。
原発に絡む主な事故としては、
1.1995年12月発生した、高速増殖原型炉「もんじゅ」におけるナトリウムが漏れた火災事故.
2.1999年9月30日に発生した茨城県東海村の ウラン燃料加工施設 JCO で 起きた臨界事故
3.2004年8月、福井県美浜原子力発電所で、2次冷却系復水管が破断 し、噴き出した高温の蒸気によって、5人が死亡し、1人が重体という事故で ある.。
ここには慣れからくる気のゆるみや、信じられないような初歩的な検 査ミスが原因の事故が指摘されており、エネルギー危機が叫ばれ、しかも温暖化に よる二酸化炭素削減の目標達成のために、これが原発の行く手を
阻む最大要素とし たら、各関係機関の責任は重いといわざるを得ない。
その一方で、静岡地裁による今回の浜岡原発運転差し止め判決も納得 がいくものではなく、司法のゆがみの是正が待たれる。
一方佐賀県では3月26日、古川康知事が、九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)でのプルサーマル使用に同意するという朗報が入った。
ここでごく簡単に「原発」の仕組みを述べると、天然ウランには燃えるウラン235がわずか0.7%しか存在せず、そのままでは核分裂を起こさないウラン238は、99.3%をしめる。そこで燃えるウラン235を3%に高め濃縮して始めて「核分裂連鎖反応」を起こす。そこで得た高温の蒸気でタービンを回して電力を起こすのが「原子力発電所」である。資源小国の日本では、すでに発電量の30%以上を原子力発電に依存している。
ところがこの濃縮された核燃料1gからはその1/1000g(石油換算約3t)しか分裂を起こない。そこで使用済み核燃料はいままでフランスに送って再加工され、ふたたび日本に送り返されていたが、そ
の輸送は、テロや海賊による危険と、環境保護団体グリーンピースによる妨害に晒されるところから、ようやく青森の六ヶ所村に再処理工場を建設することになった。再処理されたものがMOX(Mixed Oxide)燃料である。
すなわちMOX燃料とは、通常原子力発電で使用済みのウラン238 にプルトニウムを再処理工場で混ぜ合わせたもので、そうした新しい燃 料を使用しようというプランを「プルサーマル計画」と呼んでいる。
こうしたプルサーマル工場は、海外ではフランス・ベルギー・ドイツなどですでに100カ所以上」使用されており、日本でも温暖化対策に絡む京都議定書の決定の遵守のためには、まさに焦眉の急と言わねばならない。
日本に課せられた数値とは、1990年の二酸化炭素排出量の6%カ ットが義務づけられているのに、今では当時より10%も排出量が増え ている。ということは16%カットというとてつもない数字を、いかにしてクリアするかと難問と直面していることになる。
この京都議定書の批准だが、もともと「温暖化」という問題のわかりにくさに加え、中国やブラジル、それにロシアなどの数値や、アメリカの離脱など、多くの問題点を抱えている上、すでに高度の公害対策を行っている日本の数値には疑問が多いのだが、今更この決定を覆すことは出来ない。となると、日本政府の及び腰や、浜岡原発訴訟運転差し止め判決は、決して「そうか」と納得できる者ではない。
花岡信昭氏のメールマガジンNO.209号<2006・3・26>
によると、
「原発差し止め判決のおかしさ」は、「原発は原子力安全委員会の<耐震設計審査指針。に基づいて建設されているが、この指針は28年前の古いもので、見直しが進められてはいた」として上で、「だが、原発の安全性はきわめて高いのである。ちょっとしたことで「自動停止」すると、マスコミは大騒ぎするが、自動停止するから安全なのだ。
たとえ巨大地震が襲っても、自動停止するから、放射能が拡散するなどということはない」と過剰反応を戒め、「石油は99%を輸入に頼る日本だが、原油の80%が中東に依存している。中東が世界の火薬庫となっているのは、原油という資源確保をめぐる戦争が絶えないためだ。
中東依存度を低下させれば、それだけ中東の不安定要因が減殺される」として、「早い話、日本が電力のすべてを原発でまかない、自動車をクリーンエネルギー(電気自動車など)で走らせることに成功すれば、少なくもエネルギー確保をめぐる紛争を相当程度に低下させることが可能になる。原発政策イコール平和戦略と位置づけることができる」のだという。
と述べている。
この問題は、狭くてしかも地震多発国日本では適地が限られることもあり、その点ちょうど米軍基地の問題と同じように、「総論賛成 各論反対」の様相を呈している。
問題点はまだまだ多いが、中東情勢の悪化と、お隣チャイナの資源ガブ飲み」の現状に鑑み、関係電力会社そして原発関連設備での、過敏なばかりの徹底安全管理は勿論のこととして、誰しもが、決して避けて通れない重要課題である故に、行政の積極参加は言うに及ばず、特にマスコミ、それに国民の誰もが、いたずらに感情的拒否論に陥ることなく、冷静に論議の輪を形成していくべきではないか。