衆議院千葉県補選の示すもの


  今回の衆議院千葉7区補欠選挙は、自民党の松本和巳前議員が陣営の公選法違反事件に絡んで辞職したことに伴い、4月23日に行われ自由・民主両党が総力を挙げて応援合戦を繰り広げたのだが、民主党から立候補した前千葉県議・太田和美氏(26)が、自民党の前埼玉県副知事・斎藤健氏(46)(公明党推薦)をわずか1000票未満の僅差で破って当選した。

 マスコミは、「庶民派(民主)VS超エリート」の戦いというスタンスで報道し、一部マスコミは、太田氏がキャバクラ嬢だった過去や補導歴があることなどを暴露したのだが、結局それがダメージとならなかった。ではなぜ超エリートが、前県議とはいえ、政治的実績未知数の小娘に敗れ去ったのか。自民敗北の原因分析と今後の影響について、侃侃諤諤語られているのだが、主なものとして、
1. 民主党に解党的危機感が強く、小沢集中効果と、田中角栄ばりのドブ板作戦が、お祭りモードの浮かれた自民の作戦より好感を持たれた。
2. 一方の斎藤健氏は東大→通産官僚出身というエリートだが、他県の副知事という「落下傘候補」で、地元での認知度で劣っただけでなく、ニセメール問題の(前民主)永田寿康(ひさやす)東大→大蔵省とオーヴァーラップすることになった。
3. というのが妥当なところであろう。またさすがの小泉さんも、小沢さんを中心に目下一枚岩の体当たりに、結果として押し切られた感がある。

 自民党の退勢を示唆するものとして、同日行われた広島県の東広島市長選でも、自民党政調会長中川秀直氏の次男で元テレビ局記者、中川俊直氏(35)が出馬し、応援に安倍官房長官が駆けつけながら、同党前県議で会社社長、蔵田義雄氏(54)に敗れてしまった。地元の反応は、やはり地元とはほとんど縁のなかった、一種の落下傘候補で、なぜこの時期に選挙に出たのかわからないという、シビアなものであったようだ。

  またこれも同じ23日、米空母艦載機部隊の移転受け入れの是非を最大の争点にした山口県岩国市長選は、「反対」を訴える旧岩国市長、井原勝介氏(55)=無所属=が初当選を果たしたのだが、こちらは先般市民投票で圧倒的に反対を表明したばかりだから、当然と言えば当然であろう。今後は、政策論争不在の選挙姿勢から、早く脱却した方が優位になるだろう。

 こうした結果から見て、にわかに民主党にフォローの風が吹いたと見るのは早計だとしても、現在守旧派VS改革派、媚中派VS嫌中派という対立構造が顕著で、しかも次期総裁の席を巡って相争い、万一小泉改革を後戻りさせるような動きが見られたときこそ、自民の命運が尽きるときと思わねばなるまい。

 いずれにしても、まだまだ小泉レイムダック説にはほど遠いが、問題は次の参議院選の趨勢と、ポスト小泉次第という事になりそうだ。周辺にきな臭い風が吹き荒れ、「新教育基本法」の成立が急がれる中、尻尾を振ってChina詣でをする輩には、政権の座に座って欲しくない思いである。


前へ目次へホームへ次へ