![]()
国は無機的な一律経費削減で未来に禍根を残すな
9月の任期満了を前に小泉首相は、残された「教育基本法」「共謀罪」「憲法改正」など、残された重要課題の継続審議に意欲を見せず、すべて次期内閣の仕事とばかり先送りしてしまった。
郵政及び道路公団の改革は、公約通り実行したものの、その実績は官僚および族議員の執拗な抵抗で決して満足のいくものとはいえない。例の社保庁にしても、我々一般人の常識の枠を超えた官僚のサボタージュで一向に実績が上がらないなど、小泉さんも頭が痛いことだろう。
「小さい政府」を標榜してきた小泉内閣は、下手をすると命取りになりかねない消費税の増額をあえて口にせず、その前にまず不要な歳出の削減と、官僚の人員削減をターゲットにして、数値目標を掲げてきた。消費税増額を先に口にすると、国民の誰しも苦々しく思っている歳出や官僚の削減がなおざりされるというのが口実である。
ただ問題は、政府が掲げる数値が、それに当然反対する官僚サイドの対案が、果たしてどこまで妥当なものなのかという課題が残る。こうした課題に拙速は禁物である。現状を見ると、どうも人気取りと数併せが優先して、「始めに削減数値ありき」という感じがしてならない。たしかに官僚のすることは、我々の目から見て、あまりに無駄が多い。だといって本当に必要なものもあるはずだ。
不必要なムダは大いに節約すべきだとして、そのために必要なものも含めて、一切合切を十把一絡げにした一律的削減案は絶対に避けなければならない。官庁が抱える問題には、当然日本の未来を支える有用な投資だって沢山存在するはずだ。
時間を掛け、しかも幅広く偏りのない調査によって、メリハリの効いた削減案を打ち出さないと、一見不要に思えるが、将来を見据えたものまで切り捨てられる可能性を否定できず、日本の将来を危うくする事態すら招来するだろう。しかも納得のいかない蛮行は、単に当該部署でのモラルの低下を招く危険性を含んでいるからである。
例えばバブル崩壊後、不況になく企業が、泣く泣く人員を削減し、研究費を削減して生き残りを図ってきた。なんとか景気が改善した今、(確かにその時点では)やむを得なかったとしても、そうした企業は、いまこそ捨ててきたものの大きさを痛感しているはずである。その1例が、液晶テレビのシャープが、大型テレビで、韓国の三星の後塵を拝している原状である。
また財務官僚時代の片山さつき議員が、当時防衛庁の予算を削減させたことが話題になった。仮想敵国として、長年に亘って軍事費の拡張を続けているChina、それに狂犬国家北朝鮮の脅威が大きくなってきた今、これこそ官僚的発想による無機的な削減案の危うさ、シヴィリアン・コントロールの限界として心にとめるべきである。
ご存じのように日本は、「先端技術立国」を標榜しているが、そうした研究には当然ながら、「すぐに役立つ」というものは少ない。お金はかかるが、未来への技術の継承という地味なものが殆どである。それを不要不急だとして切り捨てることは、日本が「先端技術立国」という目標を捨て去ることになる。
「小さな政府」というキャッチフレーズを尊重するばかりに、日本の将来を担う希望の芽までも、摘み取るという愚だけは決して犯さないようにして欲しいものだ。特にマスコミは、科学的実験のちょっとした失敗をも殊更の如く取り上げて、浅薄な不要論を展開して悔いを未来に残さないで欲しいものだ。
華々しい成功ばかりが報じられるChinaの宇宙衛星・有人飛行・ロケットにしても、実際には幾多の失敗を隠蔽した作為的業績だということは、世界の常識である。
(Chinaロケット実験失敗の映像)