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“ポスト小泉” 安倍さんで決まり!?
小泉首相が引退して、「麻垣庚三」から「庚」が抜けた、「麻垣三」の三つ巴による後継者合戦が始まる。橋本さんが急逝したあとの俄か「津島派」からは、額賀防衛庁長官が色気を見せたのだが、派内の多くが安倍さん支持に回ったため、「負け戦は避けよう」と不甲斐ない腰砕けに終わってしまった。小泉さんの「自民党をぶっ潰す」という派閥解消戦略によって、かつての最大党派の勢いは霧消してしまった。
小選挙区制の定着から金権政治の衰退で、派閥の領袖が子分どもに軍資金を配るという、かつての派閥の仕組みは、完全に瓦解てしまった。小泉さんの満足げな含み笑いが目に浮かぶようだ。
「鉄の結束」などと気勢を上げていた山崎派も、親分が総裁選に色気を見せても、子分たちが全然動かず、強行すれば派はバラバラという始末で、ここでも挫折してしまった。骨のある麻生さんはなぜか河野派なのだが、小さい派閥のくせに息子の河野太郎が立候補するなどと、小派閥に似合わぬことを言い出すからここでも大変である。
かつての名門宏池会は、「加藤の乱」以降分裂してしまったが、加藤の子分だった谷垣さんが総裁選に名乗りを上げ、消費税のアップなど、見かけに似合わぬ勇気ある発言をしているが、見るからに線が細い。その点かつての晋三ぼんぼんは、小泉さんほどの迫力はないが、ルックスに似合わぬ強硬な意見と、拉致問題・北鮮問題でぶれない姿勢を見せて、ダントツの人気で総裁選に望むことになった。
マスコミは殆ど揃って「靖国問題」を取り上げて安倍さんの足を引っ張ろうとしたが、何せ一般のアンケートで小泉さんの「靖国参拝賛成」が過半数を超えるとなると、もう様子見の自民党議員は、雪崩現象で「安倍支持」に回ってしまい、70%を超えて80%の支持率に達したとなると、麻生さんが言っていたように「幕が開いたら芝居は終わっていた」ということになりそうだ。
さて問題は、安倍さんの政策に賛同(といっても正式に政策を語ったわけではない)したわけではなく、唯単に「勝ち馬」に乗ろうとしているだけのさもしい根性の輩を、安倍さんがどうのように裁いていくかが見物である。かつてのように、派閥が名指した人を閣僚に、という手法など下手に取ろうとしようものなら、折角小泉さんが壊した派閥が、息を吹き返す恐れが充分にあると心得なければならない。
たしか安倍さんは、そうした仕組みを否定する発言をしていたようだが、当選回数にとらわれず、適材適所極力有能な若手を閣僚に選んで欲しいものだ。自民党の若手は今までどうしても露出度が少なかったきらいがある。だからといって民主党の若手より劣っているはずがないと思うのだが、思い切って若手・中堅で固めた執行部が望ましいのだが。
いま必要なことは、いわゆる「官僚の壁」の打破である。それが出来るのは、若さと同時に、そうした官僚の中にいる、わかい革新的官僚の取り込みである。党内の若手と共に彼らの力を借りて、利権とか権益に無縁な人材を結集し、外交・経済・教育・防衛・福祉などなどの政策策定に力を発揮する、一種のシンクタンク的政策集団を組織して、ぶれない政策の立案から遂行にいたる新しいスタイルを打ち立てることであろう。
勿論強気一辺倒で物事が進むとは考えないが、出来ればこの際、国策に限らず企業秘密の海外漏洩を阻止するために、スパイ防止法くらいは制定してほしいものだ。
8月25日のサンケイ新聞によれば、“阿倍氏「日本版CIA」検討”とある。いささか遅ればせな対外情報機関構想だが、そうした機構・機能を補完させるためにも「スパイ防止法」が不可欠であろう。
国内問題では、「再チャレンジ」を標榜しているようだが、巷間いわれている「格差社会」や「負け犬」問題の解消に繋がるかどうか。
日本はあのアメリカに比べても、倒産者の復活ははるかに低いのだが、そのアメリカでは日本など問題にならない格差社会である。
この2つは、まったく別の原因があるし、対策もあるはずだ。
またアジア諸国に配慮というものの、ごり押しを続ける中・韓以外のアジア諸国との新しい関係の構築を優先して欲しいものだ。その為には、日本にも彼らにとって「靖国」に当たる問題点、たとえば「人権・公害・武器輸出」などなどを、負けずに争点とするくらいのタフさが望まれる。
ここで安倍さんの前に立ちふさがるのは、来年の参議院選の趨勢である。ここで破れると短命内閣に終わるおそれがある。若さが老獪さに破れることも考えられる。政治は知力よりも、体力と胆力がものを言う世界である。ここを乗り切れば万々歳だが、くせ者小沢さんは、小泉さんに反対して自民党から追い出された人たちに、露骨にちょっかいを掛けている。
小泉さんの後継者である安倍さんが、どんな形で離党させられた人たちに接していくのか、その対応を誤れば自民党にとっても安倍さんにとっても、厳しい冬の時代が到来するおそれがある。万一破れるときは、臥薪嘗胆、体力と胆力、それに気力を充実させ、みずからの政策ではないが「再チャレンジ」するという心構えが肝要ではないか。
願わくば若い力を結集して、公明党というお荷物がなくても勝てるような、新生自民党にして欲しいものだ。