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「教育改革の要」をお忘れなく!
拝啓 内閣総理大臣 安倍晋三閣下
気候不順の折から、ようやく総理ご就任から半年を経過しましたが、内外共に難問山積でいささかも気の休む事の無い有様、心よりお察し申し上げます。しかも今回能登地震の突発に当たっては、仄聞するところ初動3分以内に対策本部を立ち上げられた由、かつての村山内閣の醜態に比べて、その敏速さに驚きと感銘を覚えております。今後とも無責任なマスコミの蠢動にはいささかも惑わされず、政務にご精励あられんことを、切にお祈り申し上げる次第でございます。
さて前置きはこのくらいにして、安倍総理が最大の目的とされております「教育改革」につきまして、以下述べますことをぜひ念頭に、「画竜点睛を欠く」事の無きよう、呉々もよろしくお願い致す所存であります。
現在教育改革諮問会議をはじめ、多角的に取り組んでいることは大きく評価しますが、現在の歪んだ「教育の場」を招来した「諸悪の根源」である、戦後の「教育に関わる学校制度」の改廃がなければ、何の効果をもたらさないことを念頭に致すべきであります。
明治以降、日本での教育改革を俯瞰しますと、1872年に初めて東京に官立の師範学校が設置され、次第に各都道府県に官立および私立の師範学校が設立されていきました。詳述は避けますが、師範学校→高等師範学校→文理大学というコースが確立されていき、師範学校は、卒業後教職に就くことを前提に授業料がかからないのみならず生活も保障されたので、優秀でも貧しい家の子弟への救済策の役割を果たしていったのです。
ところが、敗戦によりGHQの差し金で、こうした教育システムが軍国教育の温床となったとして、いわゆる6・3・3制という教育制度を日本に強制し、師範学校を新制大学の教育学部に移行させました。この制度とその後の大学乱造ブームによって、日本の教育水準が大幅に下落し、日教組の跳梁と相まって、今日の教育の乱れによる惨状を生み、総理が「教育改革・教育再生」を決意される根拠になったのです。
ちょうど新制大学への移行期に、高校より大学への進学を経験した小輩は、新制大学で最も競争率の低い「教育学部」に進もうとする同級生の殆どの顔ぶれを見て、「こんな奴らに自分の子どもの教育を託すようになるとは〜」と、いささか大げさながら嘆息した記憶が蘇ります。
その後幸か不幸か子どもに恵まれなかったこともあって、個人的な心配は杞憂に終わりましたが、現在も依然としてその延長線上にあることは結果が示すとおりであります。
そこで安倍総理にお願いしたいことは、「教育改革」の最大の目玉として、ぜひ教育専門大学の設立であります。この大学は、人格の陶冶と崇高な教育理念の醸成を根底とした「教育再建」に邁進させることを目的として、戦前の師範学校・高等師範学校のように、また防衛大学や警察大学校と同じく授業料免除・生活費支給を行うものとして戴きたいのであります。
この政策を実施する場合、教員の質は設備の問題があります。今後少子化に伴い、現在の進学塾の多くが生徒難で経営が困難になることが予想されます。そうした塾の救済を兼ね、一定水準の教育カリキュラムを実施した上で、私立教育大学として認定するのも一案です。なぜなら、進学塾は競争原理が働いて、指導方法が通常の学校よりも優れているケースが多いからであります。
同時に現在の受験本意の教育から脱皮し、「入学し易く 卒業し難い」大学制度にして、「受験進学塾」をむしろ卒業しにくい大学生をターゲットにしたものに代えていく事も肝要かと愚考いたします。
諸事多難な折から、精々ご自愛の上一層のご活躍をお祈り申し上げます。
恐惶謹言