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土器が生んだ食のイノヴェーション
日本の学者には非常に奥ゆかしい方が多くて、日本で発見されたすばらしい遺物(例えば土器・漆器・竪穴住宅など)は、日本で生まれるわけがない。多分大陸から渡ってきたに違いない、とおっしゃる傾向が強いようです。本当にそうでしょうか?
現在の所(確実な検査法では)12000年前という縄文土器が世界で最も古く、ごく最近では文様はないものの、16500年前の土器が青森の太平山元遺跡で見つかっています。三内丸山遺跡の漆器は、DNA鑑定で中国のものとは違って、日本独自のもであることが判明しました。ことほどさようにわれわれの先祖縄文人はすばらしい資質・技能を持っていました。
ではなぜ土器の発明がすごいのでしょう。それまでヒトはあぶり焼きするか、蒸し焼きするかという料理法でした。これはいわゆる単体食で、獣の肉とか魚などには適していますが、森の恵みである「ドングリ」を食べるには適しませんでした。
ところが土器の発明によってドングリやトチなどのアク抜きが可能となり、煮炊きするという調理法によって、食のヴァリエーションが断然増えてきました。あの膨大な貝塚はごく短時間でつくられたことが分かっています。多分海水で煮て調味料として土器に入れて交易に使っていたのではと思います。すなわち縄文人は(北は北海道の 石狩鍋・カニスキから、博多の水炊き・モツ鍋、それにすき焼き・チャンコなどなど)われわれの食文化である「鍋料理」を、こんなにも早くも賞味していたのです。世界に冠たるグルメ民族日本人の面目躍如といえませんか。