定住していた縄文人

 ちょっとおさらいしますと、土器が発明されるには

  1.粘土がある(当時は陶土はまだつかわれていません)
  2.水が充分ある
  3.燃料が潤沢にある
  4.定住生活をしている。

という、4つの要素が必要になります。どの1つが欠けても土器は生まれませんし、造られても量的にごく少くないものになるでしょう。
 こういった条件は決して多くありません。日本はその点で土器製造に最も適していた、すなわちこの4つが揃っていたことが世界で最も古く土器を造ったのです。多分だれでも1〜3はおわかりでしょうが、なぜ定住なのでしょうか? (当然と言えばそれまでですが)あんなにもろくて重い土器を持って、とても移動など出来なかったからです。ではなぜ定住した(出来た)のでしょうか?
 旧石器時代の後期から新石器時代の当初というこの時代は「狩猟・採集時代」と呼ばれています。すなわちこういう説が唱えられた西洋をはじめ、ほとんどの種族は狩りの獲物を追っての移動生活を送っていました。すなわち生きるための縄張り(テリトリー)を広範囲に持たなければ生きていけなかったのです。

 ところが日本ではそんなに動き回らなくても食べるものが身近にしかも豊富にあったのです。それが森が生むドングリであり、キノコであり川や海の魚介類だったのです。私たちはこうした「山の幸 海の幸」のありがたさに気付いていませんが、少なくとも先進国でこんなに恵まれた国はひとつとして存在しないことに気付かなければなりません。あの森の国ドイツも30%、イギリス・フランスで10%、イタリアで20%しか森は残っていませんが、日本では実に67%もの森がいまでも残っているのです。そうです。定住生活は「森の贈り物」だったのです!


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